夜人【ヨルヒト】さん
一歩、また一歩。

歩きだすと、徐々にスピードが上がった。

恐怖と焦りが、トキコを走らせる。

階段を一段飛ばしに駆け上がり、廊下の端を目指す。

朝の光が差し込む廊下は意外なほど明るく、体育の授業の声に混じり、スズメの鳴き声が時折聞こえてくる。

その和やかさにいくらか気分が緩む。

廊下に響く自分の足音にも慣れた頃、女子トイレに辿り着いた。

「…………」

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