私は初めから病気だったワケじゃない!!
新聞係りの事だけど、
係り決めの時に、
先生に、やりたい人と聞かれて、
TくんとSくんと、
kくん、Oくんと、私が手を挙げた。

女子は私だけで、
他は男子ばかりだった!
担任の先生が、

「女の子一人だけど、
本当にやるかい?」

と聞かれて、

「はい。」

と頷いた。

「えー、女子は、
女子のいる係りに行けよ!」

というOくんのヤジに、

「はい!
男子ばかりだと、
記事に偏りが出るから、
瀬崎さんが、
いた方が良いです!」

と、手を挙げて、
Tくんが発言した。

「Tが言うなら……。」

と、Oくんは、頭をかいて、
了解してくれた。

TくんやSくんがいるから、
女子一人でも、
関係なかった。

Tくんは、
皆から、
一目置かれていた。

新聞係りは、
学校の休み時間だけでは、
編集会議にならないという事になり、
放課後、Tくんの家で、
最初の編集会議をした。

それがTくんの家に、
久々にお邪魔した日だった。

私以外、成績優秀なメンバーなので、
記事は軽いものより、
真面目な路線だった。

「大体決まったけど、
瀬崎さんはどうしたい?」

皆の意見が出そろい、
私は、皆がスゴいな〜と、
聞いているだけだったから、
Tくんに意見を求められた。

「えっと……。
難しい事は分からないけど……。
真面目な路線で、
良いですが、
イラストとか、
四コマ漫画とかが、
有ると、
読みやすいかも……。」
皆の意見ほど、
大した事ではなかったけど、

「うん!
良いね!」

「俺、四コマ漫画描く♪」

「瀬崎さんも何か描いて!」

「女子受けしそうな動物とかは?」

「じゃあ、こんなんで良い?」

私は、猫を描いた。

「うん!
それが良い!!」

こうして、
紅一点の新聞係りの
一員として、
私は、彼らと楽しい係り活動をした。

私たちの壁新聞は、
評判良かった。

この経験が後に、
新聞や、雑誌づくりへの興味につながったのかもしれない。

さて、話しは変わるけど、
私の子どもの頃は、
Tくんたち血友病患者さんは、
小学校の皆さんに、
普通に受け入れられていたけれど、
後に発覚した薬害AIDSの血液製剤の事件が、
起きたの!

血友病患者さんが、
血液を固めるための薬で、
AIDS感染の被害に遭われたり、
感染していないのに、
血友病=AIDSという、
思い込みからの差別的な被害に遭われたと聞いて、私は、心を痛めたわ。

Tくんは、正義感と、その類い稀な頭の良さから、
弁護士を目指していると、
風の噂に聞いた。

今はどうしているのか、
分からないけど……。
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