私は初めから病気だったワケじゃない!!
多少の事は、
大目にみて、
鍾乳洞のあるお寺さんやら、
有名処を巡り、
合格祈願をした。

けっこう山道を行くのね……。

人が居ない……。

杉木立の山林には、
私たち以外に誰も居ない。

「ぴろちゃん……。」

A氏が後ろから、私の両肩に両手を乗せた!?

「え!?」

これは、ヤバイ!!

誰も居ないから、
大胆に迫られそうな……!!

私は、振り切って歩き出した。

あれ!?

妙に速い!?

普通に歩いているはずなんだけど、
走っているみたいに速い!?

「ぴろちゃん!!
待って〜!!」

A氏が追いかけてくる。

人気のない山道を抜けたら、

「こんにちは!」

トレッキングの観光客に会った。

「こんにちは!」

挨拶を交わしたら、
普通の速さに戻った。

「ぴろちゃん……速すぎるよ〜!!」

A氏は、
息を切らして、
へたりこんだ。

私は、全然息もあがらずに普通に呼吸していた。

「なんか、普通に歩いているつもりだったのに、
そんなに速かった?」

「マジで速かったよ〜!!」

「不思議ね♪」

*この時みたいに、
異常に速く歩く事は、
この話を書いている数年前にあった。

一人で来た高尾山を下山中に、
帰りの電車の時間を気にしていたら、
階段をびっくりするほど速く駆け降りてしまって、
早めに帰り着いてしまった事がある。

ただ、最近は運動不足があるので、
滅茶苦茶筋肉痛になっちゃったけれど、
この秩父の時の私は、
筋肉痛とは縁がなかった♪

こうして、A氏の野望は、
私の速すぎる歩きに阻まれて、
何もなく帰途についた。

あれは、何だったのかな?

病気ではなさそうだけど……。

山伏とかが、
天狗を降ろして、
山林を速く駆け抜けるみたいな感じ♪

私の身の危険を護ってくれたみたい♪

観音霊場エリアで、
迫るなんて、
バチあたりよ!!

A氏と付き合うなんて、
あり得ないわ!!


日本史仲間に会ったら、
何で来れなくなっちゃったのかと、
私は、ちょっと憤慨して言ったので、
彼女らは、
A氏の失恋を悟った。

しかし、
A氏は、失恋したことに気がついていなかった……。
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