元カレ



「俺は本当にそんな事してない。昨日は真っ直ぐ家に帰ったんだよ……」


ポツリと。
吐き捨てるように呟かれた。



「最近、早く家に帰って来いって言われてるから……」


「あの人から……?」


「あぁ……あの人、最近イライラしてて、俺で憂さ晴らしをしてんだよ。正直、捨てられても困るから一応あの人の言う通りにしてんだよ。あんな人でも、一応俺の保護者だから」



そんな切ない顔するなんて……。

ズルい。


そういう表情されると、何も言えなくなる……。


なんて考えていると、彼はおもむろに制服を脱ぎ始めた。



「なっ!?何してんのっ……」


「誤解だって信じてもらいたいから。玲奈に何もしてないって、わかってもらいたい……」



そう言われても。
脱がれたら、目のやり場に困るだけ……。



「……えっ」


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