作品紹介 アイスクリン強し
文明開化と西洋菓子
アイスクリン強し
畠中 恵
講談社文庫

ーーー駆け抜ける時の疲れを、癒してくれるものが出てきたのだ。
「例えば、新しい菓子だな」
皆が頷く。夢のごとき味の西洋菓子が現れたのだ。(「アイスクリン強し」本文より一部抜粋)

*江戸が明治へ、東京へ。文化も法も様変わりする頃、築地で西洋菓子を売り始めた皆川真次郎は、寂しがり屋でお人好しな青年。そのためか、今日も「若様組」と呼ばれる警官たちと共に騒動に巻き込まれてしまう…。

ーーー「そりゃあ江戸が明治に変わったせいさ。諸事忙しくなったからな。困り事だって、ゆっくり間を空けて起こっちゃくれないのさ。」(本文より一部抜粋)

☆ビスキット、アイスクリン、チヨコレイト、ゼリケーキ、ワッフルス…物語には、どれもキュートで美味しそうなスイーツが関わっています。和と洋が混じりあった明治の世に生きる、変わっていくようで変わらない人達のヒューマンドラマが描かれていて、どれも読んでいてほっこりします。そして、畠中さんといえば「しゃばけ」シリーズで有名ですが、本の最後には福田里香さん(お菓子研究家・レシピ&フード評論本『まんがキッチン』出版など)の解説が載っており、「しゃばけ」シリーズを食べ物に着目した解説となっています。

ーーー時代の波は、まだ若い真次郎にとってさえ、時に大嵐かと思えるほど、大きく押し寄せてくる。誰も彼もが、無事でいられる訳ではないだろう。(本文より一部抜粋)
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