失恋バレンタイン
「大丈夫、大丈夫!頑張れ!」


親指を立てて、ニカッと笑った。


大丈夫かな。顔、引きつってないかな?


心の中では、そんな不安や迷いばかり。応援なんて、出来ない。


「やっぱ、お前に言って正解だ。ありがとな!」


私の心の内なんて知らずに、君は屈託のない笑顔で笑うから、応援せざるを得ない。


「じゃぁ、今年からバレンタインは要らないかな?」


「えーっ!お前の作るやつ、美味いのに」


小さい子みたいに、口を突き出して君が言う。


私からのバレンタインを楽しみにしてくれていたことが嬉しくて。でも、なぜだか哀しくて。


今は、君の笑顔と、その言葉で充分だよ。






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