『僕の思い、君の願い』
 

 そうなのだ。

 僕が悪かったのだ。


 実は昨夜、「もう少し厚めのお布団に変えようよ?」と言う彼女の提案を、僕が拒否したのだった。


 温かい布団に変えてしまえば、たちまち僕と彼女との間に距離が生まれてしまいそうで、僕はそれが、どうしても嫌だった。


 子どもみたいなことを言うようだけど、僕には眠る温度に、変なこだわりがあった。


 布団の温かさと彼女の温かさが交わって出来た温度が、僕にとって調度いい温度であり、


その温度の中で眠る夜を、僕は本当に愛していたのだった。


 というか、もしかしたら、僕はもう、その温度以外では眠れないかもしれない。




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