私の教官


会いたい、笑った顔が見たい。


教習が終わるまでにもう一度だけ…


その願いは神様にも届いたのだろうか?



ちょうど受けようとしていた学科が
板瀬先生担当だったのだ。





…会えた





板瀬先生が私の出席カードを
受け取る時



「合格おめでとう」



と小さい声だったけど
私に言ってくれたのだ。



びっくりして顔を上げると
大好きな大好きな板瀬先生の

笑顔が私に向けられていた。



これは話すチャンスじゃないか!
何を言う?
どうしよう?



考えて出した答えは


「ありがとうございます」


それだけ。


自分がとても情けなくて
嫌気がさした。



< 6 / 7 >

この作品をシェア

pagetop