続・生意気毒舌年下男子
変な君
☆幸来side☆
教室で、あたしは雫と一緒にお昼ご飯を食べていた。
あたしは雫以外の誰にもバレないよう、声を殺して泣いた。
雫は嗚咽交じりに説明するあたしの話を、静かに聞いてくれた。
「…私の意見だけどね、幸来ちん」
「うん……」
「ニコっぺ、幸来ちんが年上だから、遠慮しているんじゃないかな?」
「遠慮……?」
「うん。
だって同じクラスなら、幸来ちんが何か言われても言い返せるでしょ。
でもニコっぺは年下で、授業中の幸来ちんなんて知らないでしょ?」
「そうだけど……」
「しかも幸来ちん、学年で何て思われているか知ってる?」
あたしは首を左右に振る。
「年下男子をたぶらかしたって言われているんだよ」
「えっ!?」
「ニコっぺモテるみたいだからねぇ。
1年の一部の女子から幸来ちんは睨まれているんだよ」
年下から睨まれるあたしって……。
「あと幸来ちんって、前までは久遠(くどお)先輩一筋だったでしょ?
だけど久遠先輩が退学してから、幸来ちんはニコっぺに付きっきり。
愛しの先輩が退学したからって何でニコっぺなの!?って言われているんだよ」
久遠先輩。
あたしはあの笑顔を思いだして、少しだけ胸がチクッとした。