続・生意気毒舌年下男子
二瑚は、白い何も書かれていないTシャツに黒のジャケットを羽織り、黒のパンツを穿いていた。
凄くシンプルなその格好に、凄くドキドキした。
「何言っているんだ。行くぞ」
二瑚はあたしの横を通り過ぎ、いつの間にか来ていたエレベーターに乗りこんだ。
あたしも慌てて乗りこんだ。
しかしエレベーターの中でも、あたしは二瑚をチラ見していた。
「何ださっきから、気持ち悪い。
ストーカーか、お前は」
「す、ストーカー扱いされた……」
「当たり前だろ。
嫌らしい目で俺のこと見やがって。
ストーカー以外の何物でもない」
「かっこいいから、つい見とれちゃって…」
「は?
俺がかっこいいのは前からだろ」
今更だけど。
あたしと二瑚は付き合っています。
それなのに、何で彼女であるあたしは、彼氏である二瑚にこんなにも痛めつけられているのでしょうか?
エントランスに着いた時、あたしは思いだした。
「ごめん二瑚。
あたし、自転車の鍵忘れちゃった…」
「は?
駅まで徒歩30分、歩けと言うのか?」
明らかに不機嫌そうな二瑚。