続・生意気毒舌年下男子






二瑚は、白い何も書かれていないTシャツに黒のジャケットを羽織り、黒のパンツを穿いていた。

凄くシンプルなその格好に、凄くドキドキした。




「何言っているんだ。行くぞ」




二瑚はあたしの横を通り過ぎ、いつの間にか来ていたエレベーターに乗りこんだ。

あたしも慌てて乗りこんだ。

しかしエレベーターの中でも、あたしは二瑚をチラ見していた。




「何ださっきから、気持ち悪い。
ストーカーか、お前は」

「す、ストーカー扱いされた……」

「当たり前だろ。
嫌らしい目で俺のこと見やがって。
ストーカー以外の何物でもない」

「かっこいいから、つい見とれちゃって…」

「は?
俺がかっこいいのは前からだろ」




今更だけど。

あたしと二瑚は付き合っています。

それなのに、何で彼女であるあたしは、彼氏である二瑚にこんなにも痛めつけられているのでしょうか?







エントランスに着いた時、あたしは思いだした。




「ごめん二瑚。
あたし、自転車の鍵忘れちゃった…」

「は?
駅まで徒歩30分、歩けと言うのか?」



明らかに不機嫌そうな二瑚。






< 38 / 98 >

この作品をシェア

pagetop