続・生意気毒舌年下男子
「この間のことなんだけど……」
「幸来ちーん!ニコっぺー!!」
人混みの中から、雫と慎くんが走って来た。
雫はワンピースで、慎くんは少しチャラい印象を持つような感じの服で、でも2人に凄く似合っていた。
「あ、雫!慎くん!……に、二瑚?」
隣の二瑚を見ると、二瑚はスマホの時計を見ていた。
そして顔を上げたかと思うと、二瑚はニヤリと黒い笑みを浮かべた。
「人を呼びつけておいて2分45秒も待たせるとは、良い度胸だな」
地を這うような低い声。
今、二瑚…機嫌が悪い。
まさか遅刻を秒単位でなじっていたなんて。
そんなことを知らない呑気な雫と慎くんは、目の前に立って息を整えた。
「ごめんね遅刻しちゃって!」
「俺も雫も、一緒に寝坊しちまったんだよ!」
罵られる。
雫も慎くんも、絶対罵られるー!
あたしは笑みを浮かべながらも、内心ドキドキしていた。
しかし、それよりも恐ろしいことが起きた。