続・生意気毒舌年下男子







「二瑚、何食べる?」

「…………」




目の前の二瑚のメニューを見る不機嫌そうな顔に、あたしは初めて「しまった」と思った。

何でこのお店、選んだのだろうか?

二瑚にとって、触れてほしくないだろう部分に触れるはずなのに。




トイレに行ったのは良いけど、迷子になったあたし。

二瑚のいるベンチがわからなくてウロウロしていたあたしの目の前に飛び込んできた、美味しそうな食べ物屋さん。

だからお昼を食べるときは、絶対にこのお店にしようと考えていたのに。




ここは、ナポリタンしか置いていないお店。

あたしも信じられなかった。

ナポリタン大好きなあたしにとっては天国だけど。

何で他のお店もあったのに、このお店を選んでしまったのだろうか?

自分の身勝手さに、恥ずかしくなった。




「……何食べるって、ナポリタンしかないだろ」

「そ、それもそうだね」




店員さんを呼び、ナポリタンを2個頼む。

まぁそれしか置いていないんだけど。




「二瑚、ごめんなさい……」

「別に幸来が謝る必要はない」




元々二瑚は不機嫌そうな顔をしている。

今は、度を超えた不機嫌そうな顔をしている。

あたしは縮こまった。







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