遊園地は眠らない
「あの夜?」

萌絵はじれったそうに、
「なんで私ばっかり記憶が戻ったの?」
と、頭を振った。

「萌絵。なんのことだよ」

駿が萌絵の肩に触れる。

萌絵はしばらく迷っているようだったが、やがて口を開いた。


「きもだめし」


「ここでやったやつ?」

静かに尋ねる駿に、
「そうだよ! ここでやったきもだめし!」
と、キレたように大声で萌絵は叫んだ。

「みんなっ、なんで思い出せないの!? あんなひどいことしておいて、なんで忘れられるの!」
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