噎せかえる程に甘いその香りは


仄を幸せにしてやりたい。

だけど他の誰かが彼女を微笑ませているのを見れば嫉妬でどうかにりそうだ。

……いや、既に爆発した後だけど。

仄の幸せの全部、他の誰でもなく俺が与えてあげたいんだ。

手放すなんて、そんな選択肢は無い。



だとしたら―――





やっぱりやる事は一つ、だよな。











メールも電話もレスナシの週末。

何が何でも仄を捕まえて話しをしなきゃ、と意気込んで乗り込んだ月曜日の会社。

課のあるフロアの廊下を歩いていると幸運にも前方に彼女を発見した。


「ほの――――

「長谷川課長―――っっ!!!」


俺の声は気合い諸とも後ろから飛んできた声に掻き消された。


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