海風の如く

隠しきれない秘密







元治2年6月




季節は春から夏に変わった





盆地である京は江戸よりも暑い





そう土方が言っていたが、華蓮はこの時代に来てから京の外に出たことはない




そのため比べられることはできないが、京が暑いことはよくわかっていた






__ひんやりしてて、気持ちいい






お気に入りの縁側が日陰に差し掛かってだいぶ時間が経った




先程まで洗濯や掃除をしていた華蓮は、縁側でごろんと、横になってみたのである











「あれ?そこで寝てるのは蓮??」





「っ平助君!!!!」





急に後ろから声をかけられ、咄嗟に起き上がった





「あー、驚かせちゃった?ごめんね


それにしても、蓮がこんなところで寝転ぶなんて珍しいね


疲れてるの?」





「ううん、疲れてるというよりか、ここの縁側が涼しくなったころかなあと思って…」





もうこの屯所にもだいぶ慣れた




涼む場所くらいだいたい把握している







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