林檎ちゃんDays
プリクラ
その日、家に帰ると鍵が開いてた。部屋に上がると、林檎ちゃんが漫画を手に眠ってた。僕等はお互いの部屋の鍵を持ってるから、自由に行き来できる。でも、僕は勝手に林檎ちゃんの部屋に上がったことはもちろんない。だってさ、なんか緊張するんだよ、女の子の部屋って。たとえ林檎ちゃんでもね。ただ、こんな風に林檎ちゃんが僕の部屋で寝てしまった時には、僕が林檎ちゃんの部屋で眠る。その時にはなるべく、部屋に置かれたものなんかは目に入らないようにするんだ。覗き見たような感じがして、良い気分じゃないからね。それに一度、ベットの上に脱ぎ散らかしていた派手で真っ赤な下着が目に飛び込んで来たからだ。それ以来、僕は部屋の隅で眠るようにしている。

< 68 / 126 >

この作品をシェア

pagetop