わたしのスーパーマン
『久しぶり』ですよね!?



「ごめんな、まだ忙しくて仕事終わりそうにないんだ……」



スマホから聞こえるちょっと疲れた彼の声。



そんな彼の声を耳にし、わたしは小さく彼に聞こえないようにため息吐いた。



「そっか、忙しいのにごめんね、電話して……」



あまり彼に負担にならないようにわたしはそう言って自分の気持ちを隠した。



本当は会いたかった。



ちゃんとそう伝えたかった。



だけど、彼の声を聞いたらやっぱり言えなかった。



『会いたい』ってその一言が。



その一言を言ってしまえば、きっと優しい彼の事、無理してでもわたしに会いに来てくれるだろう。



忙しい仕事をどうにか遣り繰りして、疲れているのに無理して、きっといつものあの笑顔でわたしの前に現れる。



それはわたしにとっては物凄く嬉しい事だけど、そんな無理してる彼を見ているとなんだか物凄く申し訳がない。




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