罰ゲームでヤンキー君に告白されました。


と思ったら、どうやら彼はパンを買いに行ったらしい。
まじでか。


他にもパン屋のトラックの前に並んでいた子供が数人いたけれど、龍也君が進むとナチュラルに道を開ける。

おーい、怖がられてるぞー。
私が目の前の光景を疑っていると。


「ほら!」


彼が差し出したのは、買ったばかりのメロンパンだった。


ヤンキーとメロンパン。
うーん、あんまり合わない組み合わせ。


包装紙に簡単に包まれたそれを受け取ると、まだほんのりあたたかい。

「あ、ありがとう。お金払います」

「別にいらねーよ」

「でも龍也君に借りを作ると、後で強迫されそうというか」

「あ?」

「いえ、なんでも」


怖っ!
気がつくと、彼は自分のぶんも買っていた。


なんだか意外で、じっと彼のことを見つめる。

「龍也君も食べるんですか」

「食っちゃいけねーのかよ!」


「いえ、どうぞ召し上がってください!」


怖っ!


「おいしいですね」

「皮がうまいよな」


皮……?
皮ね。
甘い物が好きなのか、ちょっと顔が嬉しそう。


なんだろう、この人。
もしかして、ほんのすこしだけかわいいかもしれない。


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