罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
龍也君は、さっきより強い響きでそれを否定した。
「違うよ。
大嫌いだったのは、自分のことだ」
「自分?」
「まわりに流されて、はっきりしないで、毎日ただ消費するだけで、無駄にすごして。
言いたいことも言えないで、結局関係ないひなのこと傷つけて。
そんな自分が、大嫌いだっただけだ」
「そ……っかぁ。そうだったんだ」
そうだったんだ。
だから、大嫌いだから、全部やめたいって。
そう言ってたんだ。
安心して微笑むと、彼も優しい笑顔を返してくれる。
「ひな、好きだ」
龍也君のまっすぐな言葉は、驚くほど自然に受け入れることが出来た。
「……うん」
「色んな人を傷つけて。
我慢しようと思ったけど、やっぱり無理だった。
俺ひなのこと、好きなんだ」
さっきより強く、彼の手をぎゅっと握りしめる。
「好きだ」
「……うん」
嬉しくて、言葉が出てこない。
今まで迷って、我慢しようとして、押し殺してきたけれど。
迷う必要なんて、なかったのかもしれない。
こんなに簡単なことだったんだ。
私の唇からも何の迷いもなく、自然にその言葉がこぼれた。
「私も好きだよ」
そう答えると、彼は安心したように一度微笑んで、まぶたを閉じた。
「おやすみなさい、龍也君」