罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
「帰ったんだ……」
右手で自分の頬に、そろりと触れてみる。
龍也君の、さっきのなんだか色っぽい眼差しを思い出してしまって。
うわっ、うわ。
考えれば考えるほど恥ずかしくなって、なぜか涙が出そうになる。
突き飛ばしちゃって、悪かったかな。
いや、あれは私絶対悪くない。
……ような気がするけど、復讐されたらどうしよう。
最近仲よくなれた気がしてたけど、あの人ヤンキーだし。
うう、怖くなってきた。
恥ずかしいのと憂鬱なのが色々混ざって、結局ご飯もあんまり喉を通らなかった。
夕食を食べていると、向かいの席に座っているお母さんが妙に楽しそうに笑っている。
「どうしたのよ、陽菜。なんか複雑な顔して」
「お母さん、私が死んだら骨は瀬戸内海にまいてね」
「はぁ? あんた何言ってんの? それよりあの金髪の子、陽菜の彼氏?」
意外な言葉に持っていたコップを落としそうになった。
「お母さん、見てたの!?」
「ふふ、見てたわよー。いいじゃない、ちょっとワイルドで。お母さんけっこう好きよ」
「そういうんじゃないから!」
あー、もう恥ずかしい!
それ以上からかわれるのが嫌で、さっさとお風呂に入ってしまった。
龍也くんのことを考えると、そのあともどうしていいのか分からなくて。
いつまでたってもなかなか眠ることが出来なかった。