運び屋の受難
どうしても離してくれないということを理解したから、その姿勢を受け入れることにした。
「誰に追いかけられてたの?」
「あ、俺のこと気になる?」
「死神じゃなくて、追いかけてる方が気になる」
死神は抱き締める腕に力を入れた。
「あんまり死神って呼ばれるの好きじゃないんだよね」
「あー…」
いつものくせで、死神と呼んでしまったみたいだ。
本人の前では名前すら呼んだことはなかったのに。
機嫌を損ねたかもしれない。
そして、それは私の死へ直結する。
どうしよう。
とりあえず相手の出方を窺った。