俺とお子ちゃま彼女
「ご…ごめん!えっとな…この人が小谷先輩!」


そんなにお願いを聞いてほしいのか急に真剣になった。


あっ…そういえば、まだお願い聞いてないや。


でも大体わかった。


『協力してくれ』


100%これだな。


俺はそう思いながら、雪哉の指す人を見る。


「こいつ!俺の席の隣の…!」


1学期の記憶がすぐに頭に浮かんだ。


小谷さんは…俺の嫌いな女子だった。


「小谷先輩ってちっちゃくて…かわいくて…守ってあげたくなるんだよ!」


雪哉…お前は小谷さんを誤解してるよ…。


小谷さんは外見と中身が正反対だぜ?


外見だけなら小学生にも見えるし、雪哉の言う通りかわいらしくて守ってあげたくなるタイプ。


でも中身は…毒舌で嫌み言ってくるしかわいらしくない。


絶対Sだと断言できる。


おまけに空手かなんかの有段者のようで、守る必要はない。


俺が小谷さんを嫌いな理由もついでに言っておこう。


それはガリ勉と言われたから。


俺の学校は雪哉でも入れたくらい偏差値が低く、テストもそこまで難しくない。


だから、俺は授業を真剣に聞いてるだけで、家ではほとんど勉強しない。


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