ミャウミャウにキスを。
バスルームから出ると、
私をドライヤーで乾かしてくれる。

ブウンとする音と、
気持ちの良い風。

「お前、フワフワになったぞ。いい匂いだ。」

クンクンと正史が匂いを嗅ぐ。
いゃあだぁ。

こんな事、二人っきりで、まだした事なかった。
何だか、
恥ずかしいけど、
嬉しい。

でも、猫なんだ私。

正史がキッチンに立つ。
カップラーメンを作ってる。
私だったら、
美味しいご飯を作れるのに。

「さぁ、晩飯、晩飯。」

正史がソファに座った。
私も隣に飛び乗る。
ズルズル、ズッーとカップラーメンを食べる。
食べっぷりが良いな。
このまま、私、正史の隣に居てもイイかな。

正史は、携帯を掛け始めた。

「もしもし、吉川のおばさん。正史です。凛は、どうしましたか?…そうですか、やっぱり警察に。俺の所にも連絡も何も。はい、じゃあ、こちらからも連絡します。」

お母さん。
私ね、正史の隣にいるの。

その夜、私は正史のベッドで、一緒に眠った。
一晩眠らなかった私達は、寝息を立てて、眠った。
< 14 / 24 >

この作品をシェア

pagetop