ミャウミャウにキスを。
駅近くの獣医さんに着いた。
正史は、バッグから私を出した。

「随分、弱ってますね。点滴を打ちましょう。」
「先生、ミャウミャウの具合は、どうなんですか?」
「ああ、こちらに入院しますか?」
「入院ですか?」
「今日が峠でしょう。」
「そう…ですか。」

正史は、悲しそうに私に触れた。

「先生、連れて帰ります。」
「そう、じゃあ、飲み薬を出しましょう。何か変わったことがあったら、連絡して下さい。」

正史、私を連れて帰ってくれるのね。

「ミャウミャウ、帰ろうな。」

点滴の針が痛かった。
体が暑くて重い。

再び、私はバッグの中に入れられた。

正史は、バッグの中の私の顔を時々覗いては、
ゆっくりと歩いている。

私、
このまま、死んじゃうのかな。
意識がぼんやりとした。
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