僕が彼女にチョコを貰えなかった理由
それから、私が持っている箱の中のトリュフを全部食べた。


「渚さんがいけないんだよ?

 素直にくれないから・・・」


そう言って私を押し倒す。


「全部知ってたの?」



「全部って?

 こっそりダンボールの中に入れた事?

 それとも、何回もチョコの練習した事?」


そんなことも知ってたの?


そう言おうとした私に、波留はさらに爆弾を落とした。


「去年も、くれた事??」


私はそれを聞いて、固まった。


そんな私を見て、波留は「やっぱりね」と満足そうに笑った。




優しい笑みを浮かべて、私の髪を撫でる波留。



「ごめんね。

 直接くれない渚さんにちょっと意地悪したくなっちゃってさ。

 まさか泣くとは思わなくって。」


そういいながら、私の目元にキスした。


何度の何度も私の顔にキスをする。


私は、聞きたい事がいっぱいあるのに、聞く間すら与えてもらえない。



何だか一杯一杯になって波留の服をギュッと握ると、



「意地悪したお詫びに優しくするから許して?」


そう言って悪魔の笑みで微笑んだ。





おわり
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