僕が彼女にチョコを貰えなかった理由
これは罰なのだろう。


しかし、何の罰なのだ?


思い当たることが多すぎる。



仕事が忙しいのを理由にずっとほっといた罰か。


せっかく連絡をくれたのに、冷たくした罰か。


バレンタインに会いに来てくれたのに、心配のあまり怒鳴ってしまった罰か。


それとも、やっぱり心配で追いかけたのに、双子の片割れと楽しそうに話しているのを見て変な嫉妬心から声もかけなかった罰か。


それとも、それら全ての罰か。


俺の上でスヤスヤと眠るひなの頭を撫でる。


腕立て伏せの途中で止められて、下にひながいるような状態がキツかった俺は、そのまま回転して、ひなを自分の上にのせた。


ひなが、俺の首から腕を放したので、俺の上から降ろそうとしたが、しがみついて、嫌々とするように俺の胸元に顔をすりつけた。


その瞬間、ひなを降ろすのは諦めた。




きっと、これは罰だから、俺に逃れるという選択肢は与えられていないのだろう。




昨日の片割れの台詞が浮かぶ。



『仕事が忙しいのはわかる。

 でも、ひなちゃんのことももっと考えてやってもいいんじゃねーか?

 今のお前らがまだ付き合ってんのは、ひなちゃんの我慢で成り立ってるってわかってんのか?

 社会人としてお前が努力してるのは分かってる。まだ学生の俺がとやかく言える立場じゃないのもな。

 でも、あえて言わせろ。

 お前は、ひなちゃんの彼氏であるために何の努力をしてる?

 ひなちゃんのことがどーでもいいなら何にも言わねーよ。でも、違うなら、そろそろどーにかしろよ。』





俺は、この状況に何分耐えれば、ここ数ヶ月分のひなの我慢に相当するのだろう。

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