【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~

22


「なぁ。美紀たちなんだって?」

涼があたしの携帯を覗き込むようにしながら言う


「遅れるっぽい」



「ふーん。

なぁ。ちょっとこい。」


そういって、涼が突然歩き出す。

え?なに?



そう思っている間に

デパートの裏

人の少ない非常階段につく

階段の踊り場で手を離される

なんで、こんなとこにきたんだろう?


「ねぇ、美紀たち待ってなくていいの?」


「ああ?かまわねぇだろ。

電話あんだし。」


まぁ、そうだけど。




「それより、さっきのお前

翼龍の“姫“としてすごく立派だった。

・・・でも、悠貴にばっか

構うんじゃねぇよ。

おまえは俺のものだろ。」




ぶっきらぼうな言い方だった。

けど、うれしい。


そしてなんだか、かわいい




クスッと笑ってしまう




「なに笑ってんだ。

仕方ないな。

俺が笑えないように塞いでやる」



怒ったような口調。


黒い笑顔で涼の唇が近づく。


そして、言葉どうりに口を塞ぐようにキスをしてくる。


角度を変えつつ涼は、あたしを離さない


すごい。

あたし今涼と・・・


・・・

・・・


ん?く、苦しい。

ポンポンと、涼の胸を叩く

涼はやっと離すと、ニヤッと笑った




えー、涼はどうやって息してんの?



ってか、なんで笑顔なのーーー!







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