大好きだよ?お兄ちゃん
*直哉 side*

いつも東条は“杏の兄さん”とか“直哉兄さん”って呼んでんのに…


「直哉!?」


直哉だぞ呼び捨てだぞ。

年下のヤツに呼び捨てされるとか、一番腹たつ。

もっと腹立つのが…


“アホ杏”


杏と杏の名前を侮辱したことが許せない。


それに…

杏のこと好きだから。




「何してんの?二人きりで」


思ったより低い声が出た。


杏は顔を赤から青に。少し小刻みに震えていた。

まぁ、滅多に怒らないもんな。


でも東条はなぜか余裕な笑みを浮かべている。


ニヤニヤというか、なんというか…。


「俺用事思い出したんで帰ります。じゃあな、杏。あとで北条によろしく。」


そう言って東条は部屋から出ていき、玄関から外へ出た音がした。


少し気になるのは北条って人。

北条なんて名前はけっこう珍しいと思う。

俺の親友も北条だ。

もしかしたら…?兄弟?


「あのさ…もしかして北条っt…「ごめんなさい!お兄ちゃん!」




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