コトノハの園で


それは、曖昧で、核心を突かない多くの言葉。


今までの、桜ちゃんの優しさを前に、知っていたかもしれない正解を……今さら訊ねるなんて、私ができるはずもなかった。


「アッ、デザート来たよっ」


運ばれてきたケーキを前にして、桜ちゃんはもうそちらに意識を持っていってしまった。それとも、持っていってくれたの?


「美味しーねっ! 菜々ちゃん、ちょっと交換しない?」


「……、うん。いいよっ」


ごめんね……本当に、ごめんなさい。


可能なら、幻滅なんてしないでほしい。


私が何を謝ってるかなんて、どうか桜ちゃんは、本当の意味になんて気づいていないでいて。


そう、切に願った。









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