コトノハの園で
「ね、森野さん。こんなにぎこちないのに、それでも私を好きだと言うの?」
躊躇わないけど、ずっと震えているんだもの。
なのに、森野さんは首を何度も縦に揺らす。
「そうですね。指摘通り、僕はずるいんです」
「……ホントに」
「いや。深町さんはまだ分かってない。だから――そのことを、もっと、実感してください」
森野さんが膝を折る。
私の背丈に可能な限り合わせようと。
森野さんの顔が、私の顔に、ゆっくりと近づいてくる。
私が目を閉じた少しあと、
お互いの唇が、触れた。
「――っ」
「だめです。まだ離れないで――」
一度離れた唇は再び重なり、さっきよりもずっと深いキス。
漏れる吐息を感じてくらくらする。身体の感覚が麻痺してくる。
その間もキスは続く。
お互いの唇はもうずっと――ずっと重ねられたまま何かを囁かれるから、もう上手く聞き取れないくらいぼうっとする。
立っていられなくなって、私は床に崩れ落ち、座り込んでしまった。
森野さんも、私を追って床の上。
「――、まだです」
そんなこと。
離れてなんて、いないのに。