コトノハの園で


――


永遠とはこういうことを言うんじゃないのだろうか。だって、そう感じるんだから仕方ない。


もうどれくらいの時間をそう過ごしたか分からなかった。


「僕だって、ちゃんと触れられるんです」


乱れた呼吸が収まった頃のこと。


「……」


「けれどさっきのは、証明するためだけにあんなことはしません」


「私、まだ確信言ってない」


「っ!! ……幻滅しましたか?」


――もう、いい――?


私は誰にでもなく問いかけた。だって、足りないのは私だって同じだ。競争したらきっと私の方が勝つに決まってるくらい。


「――しません。森野さんのこと変わらずずっと大好きです。好きな人とのキスだから、嫌じゃないから、あんなに長く――。気持ちが良くて、とんでもなく惚けてしまいました」


「っ!!」


こんなこと言う私なんて――


「――幻滅、してしまいましたか?」


とびきりの上目遣いで見つめてみると、


「いいえ。……でも、そんなに凝視しないでください……」


照れてしまって、視線をそらされてしまった。


でも、たとえ一瞬だけだって射抜かれる。その手は震えていても、充分に真実だと伝わる。


だから、


< 147 / 155 >

この作品をシェア

pagetop