大嫌いなアイツの彼女になりました。
あたしはそんな望月相馬の顔を見て、愛想笑いのような力のない笑顔を作った。
「離れて!!」
けど、双葉ちゃんのその声によってその笑顔も消える。
双葉ちゃんの方を見ると、キッとあたしを強く睨んでいた。
「もちろん、分かってるよね?約束通り、お兄ちゃんと別れてよね!」
双葉ちゃんはあたしを指差すとそう言った。
「お、おい、双葉!」
「早くこの家から出てってよ!あんたにあたしのお兄ちゃんに近づく権利なんてこれっぽっちもないんだから!!」
望月相馬は必死に止めるが、双葉ちゃんの怒りは止まらない。
「ま、元々あんたを認める気なんてなかったけどね!」
「双葉!」
「ふんっ!本当、早く消えてよ」
「…………。」
あたしはそっと、座っていた椅子から荷物を持って立ち上がる。
「純香ちゃん……」
「……じゃあね」
あたしは悲しそうな表情を見せる望月相馬に優しく微笑んだ。
いくら不平等で中学生との勝負だからって、負けは負けだ。
勝負は終わったから、あたしがこれ以上ここにいる意味はないし、約束を破るわけにもいかない。
……復讐も、これで終わり。