大嫌いなアイツの彼女になりました。

「……大体、なんで望月相馬と付き合ってるだけで、こんな暴言浴びなきゃいけないの？あたしが何したって言うの？」



「っ………」

　山口さん達の表情が歪む。

　驚いているのか、戸惑っているのか、何も言い返せないのが悔しいからか。




「あたしにギャーギャー言う暇があったら、望月相馬にアピールしたらいいじゃん。そっちの方があんた達にとっても得なことだと思うけど？」


「なっ、偉そうに！あんたの性格知ったら、相馬くん絶対逃げていくわよっ」

　そう言った山口さんの声は上擦っていた。



「それはどっちだか。ってか、あたし別に望月相馬のこと、好きじゃないしっ」


　怒りが止まらなくて、つい本音を口にしていた。

　それを聞いた山口さん達はもちろん、黙っちゃいない。



「なっ！なら、何で付き合ってるのよ！！」


「それは、あんたらに関係ない。」


「はあ！？」


「ふざけんな」


「ちゃんと言えよっ」


「相馬くん可哀相！」



　次々と非難の声が聞こえる。



　どうして無関係な山口さん達に責められなきゃいけないの？


　怒りはどうも止まってくれなくて、ついあたしは、



「本当に可哀相なのはあたしなのっ！望月相馬なんて………だいっきらい！！」


「………え？」






　何も気付かずに、そう叫んでしまったんだ。