大嫌いなアイツの彼女になりました。
それに、こんな派手な格好しているのに気付かないなんて……あたしも馬鹿すぎる。
「本当、ビックリしたよ」
「ははっ……てか、それよりも!」
望月相馬はいきなり立ち止まると勢いよく振り向いて、じっとあたしを見つめる。
望月相馬のその真剣そうな表情を不思議に思って、あたしもじっと望月相馬を見つめた。
「……ねえ、どうしてずっと俺を避けてたの?」
「えっ………」
思いもよらなかった質問に、ついあたしは驚いてしまう。
そして、あのキスのことをまた思い出してしまった。
そうだ、ずっと避けてた。
望月相馬を、無視してた。
学校が同じだったことに驚いていて忘れていたけど、思い出すとどうしたらいいか分からなくなって、あたしは目を逸らした。
「ずっとメッセージ送ってたよね、俺。電話もしたよ?だけど純香ちゃん、全部無視したよね」
「そ、れは……」
「俺、心配したんだよ?すごくすごく不安だった。」
「っ………」
「今だって、なんで目を合わせてくれないの?」
「…………。」
あたしはただただ俯いた。
なんて言ったらいいのか分からない。
だって、あたしの中でも答えが出ていないのだから。
自分の気持ちがよく分かっていないから。