【短】《溺マド番外編》 どちらの我慢がおツライですか?
何事にも冷めていたオレがここまで頑張るなんて、来栖 世那パワーは無限か。永遠に溢れ出てくんのか。


「世ーー那、チョコくれ♪」


「あっ、ちょっと待って!」


まだチョコ貰ってないのにすでにニコニコモードで右手を出すと、世那がカバンをガサゴソと探り出した。


「ハイ……力也君。3日間お疲れ様でした」


そう言われ渡されたのは、黄色のリボンが巻かれた赤と白のチェックのハート型の箱。


箱からはほんの微かに甘い香りがして、この香りは今日1日で死ぬ程嗅いだな………


「サンキュー世那。大事に食わせて貰うわ」
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