【短】《溺マド番外編》 どちらの我慢がおツライですか?
箱を両手で持ち、ニヤニヤしてしまいそうな口元を必死にコントロールして、お礼を伝える。


すると世那は、ニッコリと花の様に微笑んで――――…


「こちらこそ……いつも楽しい時間をありがとう。これからもよろしくね力也君っ!!」


「!?」


そのままオレに飛び付いて来たので、危うくチョコレートの箱を落としそうになってしまった。


「世、那……」


「エヘへ、力也君って肩幅広いよねぇ~~~」


………っ、バカか、お前……


こんな誰もいない空き教室で、無邪気に彼氏に抱きついて………お前はどこまで無防備なんだよ。
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