え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
玄関のチャイムが鳴った。


ホットミルクを片手にテレビを見ていた兄貴が腰をあげる。


訪ねて来たのはもう誰だかわかっている。



僕は急いで、椅子にかけたリュックを背負って、兄貴を押し退けるように玄関に向かった。


兄貴と訪ねてきた奴が話している玄関を突っ切るのなんてごめんだ。



踵を潰した靴に足を突っ込み、玄関のサムターンを回し、扉を開けた。

玄関口にいたやつは、扉が開いた瞬間、一瞬顔をほころばせたが、出て来たのが兄貴じゃなくて、僕だと知ると営業用のようなスマイルになった。

「…あ、裕くんか!おはよー。陽は?」


僕は親指を立てて後ろを示した。
ちょっと、態度の違いにイラついた。






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