100通目のラブレター
「え?そうだっけ」
「うん…女の子?」
「いや、男」
「えっ!?」
あっさりそんな答えが返ってきて、丁寧な字からすっかり女の子だと思い込んでいた私は、思いっきり驚いた。
「何でんなに驚いてんだ?」
「だ、だだだだだって、字が…」
「はぁ?男ならみんな字が汚いとでも思ってたのか?」
「あ、そっか…。でも…会ってみたい…かも」
「ん?」
「会いたい!海斗の…いとこ」
「っ!?む、無理無理無理無理無理無理!」
「何でよ!」
「そ、それはその…。
えっと、ぶ、部活!」
「へ?」
「あいつの部活、監督が代わって超忙しくなったんだよ」
「何部なの?」
「野球…」
「同じ地区?」
「……。」
「なぜにシカト?」
「そうだよ」
「ってことはそのうち会えるかもね」
「っ…」
なぜか渋い顔をした海斗に若干の疑問を持ちつつ、
「5月24日」
と、私達にとって大事な日の話を切り出した。