100通目のラブレター
「あ、今回も返事よろしく」
「おう」
…小6から始まった文通は、返事を返す期間が若干あくようになりながらも、いまだに続いていた。
最近では、相手からの手紙の返事も海斗が私に持ってくるようになった。
でも、
相変わらず差出人の名前が書かれる気配はない。
それでも今まで文通を続けてこられたのは、手紙の内容から相手がしっかりした人だと推測できたし、
何より海斗のいとこからだと聞いていたからだと思う。
でも…あれ?
私、海斗とこれだけ長い間一緒の時間を過ごしてきているのに、いとこについて見たことも聞いたこともない…?
そう考えだすと止まらなくなって、教室まで続く階段を登りながら、
「私、海斗のいとこについて何も知らないんだけど…」
って、呟いてみた。