今宵、月が愛でる物語
仕事の都合であなたが海を渡ってから2年。

あの日、

せっかくしてくれたプロポーズだったのに、

たくさん苦労をして私を大学まで行かせてくれた母を置いて海外へは付いて行けないと二の足を踏んだ私。

それでもあなたは、

必ず成果を上げて帰って来るから安心して待っていてと言ってくれた。

それから2年。

会いたくて会いたくて、何度もあなたの夢を見た。

寂しくて寂しくて、何度も眠れなくなった。

爽やかな朝に目が覚めた時も…、星が綺麗な夜にベッドに入る時も…、あなたが恋しかった。

毎日毎日、恋しかった。



そのあなたに、やっと会える。




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