ハナミツ
***
目的だった映画がはじまった。
映画館は暗いから綾瀬さんは、周りから見えないし
ばれない。
映画館にはそこそこ人が入っている。
綾瀬さんは、はぁと帽子を取り画面を見ていた。
「………。」
よくよく考えたらこれはデートってやつじゃないだろうか。
デート……。
「……藤ノ宮さん?」
「だ、大丈夫です……」
映画見にきたんだから、ちゃんと見なきゃ。
綾瀬さんだって一緒に来てくれたんだから。
「……。」