ハナミツ


およそ声優の姉とは思えない言い草だ。


「………雑だな」


「『…あんたが聞いてきたんでしょーに。好きなら独占したくなるの当たり前。それ女子の方が強いのよ~?合鍵なんか渡された日にはもう、蓮花ちゃん泣きそう。
あー。ヤバい泣く蓮花ちゃんで酒のあてに出来そう見たい。』」



「……おい、」


「『ま、あんたのどや顔もついてくるからサラサラ御免だけど。嫌がらないんじゃない?
てか寧ろ何故さっさと渡さないの。ばかなのあんた。』」


「馬鹿じゃないし、……その、なんかがっついてるみたいな思われたくないじゃん。……」


「『……たまにはそーゆー弱っちぃとこ蓮花ちゃんに見せてあげたらいいんじゃないの?アンタだって人間でしょ、蓮花ちゃん…いつもかっこいいあんたしか見れないから寂しいって言ってたよ?』」


「……」



「『直昭、もっとあんた人に甘えなさいよ。
それは弱いとか強いとか関係ないのよ、自分が優しくされただけ人に優しく出来るの。
それは多分に自分が成長していく時に"自信"に繋がると思うの。あんたが一番足りない"自信"って奴。優しくされてみなさいよ、蓮花ちゃんに。』」
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