ハナミツ









蓮花はつよい。
いつだって前を向いてる、笑っておれを許してくれる。




弱いのはおれだ。



弱くてずるくて卑怯だ。











「あの綾瀬さん。」



「あ、あぁ…立花くん久しぶり。」




振り返ると今史上最高に見たくない男が俺に声を掛けてきていた。


「どうしたんですか。」


ちゃんとメールも返したし、おれは仕事としては彼の事は分けてる。あくまで自分サイドの問題だ。




「いま、お時間ありますか?お話したいことがあります」




「…お話したいこと?」



どこか勝ち誇ったような態度に一瞬たじろいだ隙を見逃さなかった彼はこう言い放った。



「…藤ノ宮蓮花のことです、ご存知ですよね?綾瀬さん」



「………立花くん」


彼は俺をじっと見た。睨むでもなく責めるでもなく。
ただ歓迎はされてないのはわかった。





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