君がくれた約束[続編]
そう思った矢先だった。
久しぶりに朝のワイドショーで、マスコミが賑わう。
【高山秀明、リカコ。連日の密会】
食べかけたパンが床に落ちる。
「だから言ったんだ。もう別れるんだな」
父親の声なんて耳に入らない。
シュウ、嘘でしょ?
忙しい理由は、仕事じゃなくて、千里でもなくて、リカコさんだったの……?
ずっとふたりで会ってたの?
私の携帯が鳴り響く。
―着信 秀司
「……もしもし」
「ちょ、お前……テレビ、いったいどういうことだよ?!」
「知らない……。私だって知らないわよ!」
「……東京に行くか?」
「東京って今から……?」
「今行かなくてどうすんだよ?」
「でも仕事は?」
「休むって電話して、準備して待ってろ!」
「ちょっ、秀司?!」
電話は切れて、私の頭は混乱する。
今から東京?
東京に行ってどうするの?
でも……。
このままモヤモヤしたまま、シュウに会えるときまで待てる?
きっとシュウは今回の騒動で身動きがとれない……。
行くしかない?
「倫子?!」
私は父親を無視して部屋に戻る。