君がくれた約束[続編]
パパ

翌日、会社を休んで産婦人科に行くと、私とシュウの赤ちゃんはお腹の中にいて、三ヶ月だった


家に帰ると、携帯を握りしめ、シュウに電話をしようか考える。


もう携帯も変わってるかな……?


でも、電話をしてどうするの?

もう別れたのに、迷惑かな……。


シュウの番号を出して消す。

その行動を何度繰り返しても、電話を掛けることができなくて、テーブルの上に携帯を置き、テレビを付ける。


テレビはワイドショーをやっていて、私はそれを上の空で見ていた。


そして少しすると、シュウの映像が流れて、私は息が止まるくらいドキンとした。


テレビは私の気持ちなんてお構いなしに、シュウの現状を伝えてくれる。


あの車椅子の女の人と結婚秒読み……。


シュウは自分の子供の存在も知らなくて、あの女の人と幸せになって……。


本当にこれでいいのかな?


シュウになにかしてほしいとかじゃなくて、せめてこの子のことを知っててほしい……。


そう思ったとき、さっきまでの迷いは吹っ飛んで、シュウに電話をしていた。


ちゃんと繋がりますように……。


必死に願う。


そのとき、発信音が聞こえた。


繋がった……。


そう思うと今度は今までにない緊張感が私を襲う。

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