君がくれた約束[続編]

東京駅に着き改札に向かい、シュウの姿を見付ける。

顔見ると、やっぱり嬉しくて顔が綻ぶ。


改札口を出て、ゆっくりとシュウの元へと向かった。



「…久し振りだね」


「うん」



何を話していいのか分からない…。


ゆっくり歩きながらタクシー乗り場に向かい、タクシーの中でも私もシュウも無口だ。


シュウは何を考えているんだろう?


重い空気のままシュウのマンションに着き、お金を払っているシュウを見て私は気付いた。


シュウは、指輪をつけていない……。



泣きそうになった



「倫子さん、どうしたの?」


「ううん」



私は必死に笑顔を作る。


きっとシュウは別れるつもりでいるんだ



「早く中に入ろ?濡れるよ」


「うん」



私とシュウは小走りでマンションに入り、シュウの部屋に入った。


シュウの部屋は何も変わってない。


でも、机の上に無造作に置かれている指輪に気付き、又泣きそうになった。



「倫子さん、どうしたの?」


「……」



言葉にすると、きっと泣いてしまう。



「何かごめん。座ってちゃんと話そっか」



そう言ってシュウはソファーの上に腰をおろした。


< 49 / 305 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop