この恋を叶えてはいけない
「いろいろな意味を含めて、なんだけどさ……。
母さんがいなくなって……唯香を一人にさせるのがすげぇ心配……。
大学、卒業するまで通うんだろ?
経済面とかでも……、いくら奨学金使ってるって言っても、お前のバイト代だけじゃ、家賃まで払っていくの難しいんじゃないか?」
「……」
駿の言っていることは正しい。
お母さんの稼ぎは、
決して一般男性に比べたら多いほうではなかったけど、
それでも家賃や生活費は払っていけるだけのものはあった。
裕福ではなかったけど、それなりにたまにの贅沢も出来てた。
大学生のあたしが
同じだけ稼げるか、って言われたら、それは到底無理で……。
だけど……
あたしは……
「唯香……?」
何も話さなくなったあたしを、駿が不思議に思って覗き込む。
「どうした?」
「…っ」
あたしの瞼からは、ポタポタと涙が零れ落ちていた。