この恋を叶えてはいけない
13章 ストーカー
 
「はぁ……」


夜の9時。
家に着いた。


ヒールでクタクタになった足をソファーの上に投げ出し、
まるで親父のように深いため息をつく。



「疲れたぁ……」



今日は後半から、怒涛のように仕事が流れ込んできた。

というよりも、基本事務の仕事は滑り込みでこっちに書類を投げてくる部署が多いので
午前中はゆったりと時間が流れても、お昼過ぎからは鬼のような業務に追われることがある。

9時に帰れた今日は、まだまだマシなほうだ。


着替えないまま、背もたれにもたれかかっていると
途端に携帯が震えだす。

それはただのメールで、受信箱をタッチすると、
そこに表示された名前を見て、胸がドキンと高鳴った。



駿だ……。


メールの相手は駿。



べつにめずらしいことじゃない。
メールなら、週に1回程度しているから。
 
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