この恋を叶えてはいけない
 
「で?それどうすんの?」
「……あ…」



彼の目線は、あたしの右手。

そこには、さっき投げ捨てようと思っていた指輪が握られている。


あたしは一度その指輪を見つめると、



「今度こそ、ちゃんと捨てます。

 恋心と一緒に」



海を見て、真っ直ぐと答えた。
 

一歩踏み出すあたしに、彼は何も言わなかった。


あたしは目を閉じて、もう一度貴志のことを思った。

 
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