この恋を叶えてはいけない
「早見さん、これお願い」
「はい!」
「あ、こっちも!土日にやっちゃいたいから、今日中にまとめといて」
「はい…」
この日は久々に激務だった。
月末ということもあり、目を通さないといけない納品書や経費などがいっぱい。
お昼ご飯も社内で済まし、ひたすらデスクに向かっていた。
「んー……」
9時を過ぎたところで、ようやく伸びをし、首をカキコキ鳴らした。
辺りを見渡すと、社内にはまだ半分くらいの人が残っている。
陵も当然のように残っていて、相変わらず毎日大変なんだなー、なんて見ていた。
結局、駿へのメールは、
【そうなんだ!
じゃあ、こっちに来たらご飯くらい一緒に食べに行こうね】
なんて当たり障りのないメールを返しただけ。
それにたいして
【ああ】
という一言のみの返信で、それから音沙汰はない。
だからその日からもう2週間が経ったけど、結局駿のこっちへの転勤がいつからなのかも分からなくて、
どのあたりに住むのかも聞けず仕舞いだった。